カーズ2


トイ・ストーリー3」や「カールじいさん」あたりの水準で観るとかなりガッカリする。
前作「カーズ」は丁寧に、そして感動的に物語を語った反面、せっかく車を擬人化しているのにちょっと地味な映画になっている部分があって、そこが個人的に少し不満だった。
今回はそれに答えるようにドハデなアクション映画になっていた。
アメリカで本作が不評だという噂は前から聞いていたのだが、見る前の自分のスタンスは「アメリカの連中はカーズ級のストーリーテリングまで要求するのか、今作はアクションてんこ盛りらしいし、それでいいじゃないか!」というものだった。
しかし、観て予想通り必要最低限のストーリーにアクションてんこ盛りの映画だったのに結構ガッカリしている自分がいて…。
多分、なんだかんだ言いながらよく練られた脚本を無意識化で期待している自分がいたという事なのだろう。


今作はレッカー車のメーターを主役に据えた「ダメ人間」もの映画という側面があって、本来自分には大好物のはずなのだが不満点はそこに集中する。
とにかく、このメーターが好きになれないんですよ。
度を越して空気は読まないは頭が悪いわで…正直かなりイライラするんだよね。
で、結局「空気なんか読むべきじゃないぜ!君は君だ!」という話に着地するのだけど、メーターはあのままで良くはないだろう…常識的に考えて…。


メーターがこれまでとっていた自分の行動に対する外側の冷ややかな目線を感じて落ち込むシーンがある。
夢の中でこれまでのメーターの行動が再生されてそれに対する周りの冷ややかな反応を観てしまうというもの。
これ、「涼宮ハルヒの消失」あたりにも感じたんだけど、演出として安易じゃないかな…?
まして、ジョン・ラセターは「トイ・ストーリー」でバズがテレビを観てしまうシーンを描いた人なんですぜ。
あそこの哀しい滑稽さなどに比べると…どうしても演出として安っぽい印象が残る。


あと個人的に最初に出てくるオーティスくんの回収の仕方もちょっと不快に感じられた。
いつものピクサーだったらオレみたいなヒネた奴すら不快な気持ちにさせないスキの無さがあったんだけどなあ。


あとあと、微ネタバレなんだけど電磁波当てるとダメになるエンジンが新エネルギーとして仮にも世界中から受け入れられたりするかね?


まあ、「トイ・ストーリー」や「カーズ」級のストーリーテリングを当然と思うな、といえばそれまでなんだけど、どうも脚本が練りこみ不足の印象が否めない。
よくよく考えたらオレがピクサーに期待するのはPerfumeを使うとかそういう所じゃないんだ。
Perfumeは大好きだけど劇中とエンドクレジットで使われててもそんなに嬉しくなかったよ。