2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『横道世之介』

緊張を欠き、弛緩しきった映画。一体何のための長尺だったのだろう。当然の如くこの作品は高良健吾演じる横道世之介を中心として進むのだが、まず、ここがどうにも弱い。魅力の絶対値がプラスマイナス両面で乏しい。 利他的かつ前向きで誰から見ても眩しい青…

『ゼロ・ダーク・サーティ』

抑制を効いた演出や構成、お話上の目的を果たしてもストレートにはスッキリさせてくれない、長尺、その他諸々の要素により作り手のおそらくは意図通りにゲッソリさせられた。 要所要所に爆発や銃撃を挟む事で、お話の緊張感を損なわず、当事者の気持ちに入り…

『ムーンライズ・キングダム』

偏執的に徹底された平面的な画作りや、これまた徹底的にコントロールされた色の使い方は監督の並々ならぬこだわりや美意識を感じさせる。 極端に律儀な画面が作品のリアリティラインを分かりやすく伝え、色彩の演出がそのままストーリーテリングに寄り添って…

『脳男』

残念。 『感情がなく超人的な知能と能力を持つ殺人マシン』という設定はリアリズム演出で説得力を持たせるにはどう考えたって限界がある。 だから、この話において重要なのはキャラクターを立てる"ハッタリ"をどれだけ質的にも量的にもかます事ができるかに…