モテキ 2巻〜最終巻まで


モテキDVD-BOX (5枚組)

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一巻(特に1話)では、サブカルネタのアピールにチャラさを感じて全然ノレなかったんだけど、二巻以降はそういったサブカルアピールは減って楽しめるようになりました。
ただ、ガッカリする点がいくらかあった。


僕は原作ではオム先生絡みの話が一番好きだったんですよ。
残念ながらそこがドラマでは上手くいってるようには見えなかった。
まず、ハマケン演じるオム先生(ほんと、このドラマは目ざといぐらいに俺の好きな人をキャスティングする。その「分かってる」感が逆に信頼できない)が「人と関わる事を避けてきて、人間関係に大しては主人公以上に臆病な人間」に見えない。
自分のような人間はどちらかというと主人公のフジよりオム先生に感情移入しちゃうんですよ。
だが、ドラマ版のオム先生はどちらかというと、「ステレオタイプなキモオタ」みたいに見えちゃってるのが残念。



演技に関しては個人の見え方にしても、失踪したオム先生が戻ってきて大慌てで原稿を仕上げるシーン、ここが原作では一番胸打たれたシーンだったのだけれど、ここも良くないのは本当に残念だった。
あ、そこに入る前に、激太りしたフジが幻覚でなく本当に土井さんの家まで走ってる途中で「こんな体で土井さんには会えナーい!」と体が光って元の体型に戻るっていう目を疑う「クサいモノにはフタ」演出があって、ここもヒドイなと思ったんだけど、そこはまあいいや。
問題なのは原稿を仕上げるシーンがオム先生の視点になってない事だと思う。
ここにはオム先生のモノローグは入らないし、自分の元を去った元アシスタントに「お願いします。助けて欲しいんだ」と電話する所もない。
フジの「わあ、オム先生は仕事に打ち込んでいて偉いなあ」的なシーンがあるだけ。
そこはフジのためのシーンじゃなくてオム先生のためのシーンなんですよ!どいてフジ君!
オレは原作ではここに一番胸打たれたのに!ガッカリだよ!



あ、その他は原作を上手い所トレースしてて面白かったと思います。
どうもこのフジが2ちゃんねるのモテない男板から拾ってきたイメージを結集して作られたキャラクターにしか見えなくて、そこが完全には乗り切れないあたり。
ただ、そのイメージ像がそのまま実際の世の草食系男子(非モテではない)の実像と重なる部分が多く、そこがヒットの要因だったのかなー、とは思った。


これ、映画版は原作にはない、「その後のお話」をやるそうでどんな話になるのかな…と気になったりもする。
ホント、何やるんだろうね…。