イップマン序章


イップ・マン 序章 [DVD]

イップ・マン 序章 [DVD]


アクション良し、演技良し、演出良し、音楽良し、更にドラマ良し、テーマ良し、と六拍子揃った傑作。


ドニーイェン演じる無敵のヒーロー、イップ・マンが何故強く勝利するのかがテーマと完全に合致していたし、それ故に敵である日本人の描き方も日本人が観て反発をあまり持たないように作られていた。キャラの描き方はもちろん、その配置も良く考え抜かれている。
(憎まれ役を一身に背負う役もあったがああいうのがいないと抑圧されている者が一矢報いるドラマは盛り上がりませんので…。)


個人的に印象深かったのは自らと家族のために日本軍の通訳をしていて、半ば日本軍の搾取に加担するような形になってしまっているリーさん。
「誇りはないのか」とイップマンに責められたリーの言う「ワタシハ チュウゴクジン デス」とカタコトの日本語で言う台詞に彼の葛藤がにじみ出ていて胸が締め付けられた。


アクションも「マッハ!」に匹敵するレベルで興奮する素晴らしいものだった。
演技もドニー・イェンはじめ全員素晴らしいものだった。
音楽もガッチリドラマに寄り添っていて浮いてしまう事はない。


アクションには疎い自分だが、本当に良い映画だったと思う。