ローラーガールズ・ダイアリー

ローラーガールズ・ダイアリー [DVD]

ローラーガールズ・ダイアリー [DVD]

秀作!
いや、評判は前から聞いてたけどこれは良かったです。
いわゆる完成度の高い「傑作」と言える程ストーリーテリングは洗練されたものではないのだけれど、ドリュー・バリモア監督初めとする作り手の「これがやりたいんや!」というパッションと描こうとしてるものに対する飢えには非常に共感するし、あと、この映画のテンションと作ってる現場のテンションが一致してそうなあの感じが観ていて幸せ。

先にダメだと思った点を挙げると、第一にエレン・ペイジ演じる主人公にせっかくメガネをかけさせているにも関わらず、さほどの箱入り娘感が出ていない事。外側から観て彼女がどのようにローラーゲームを通じて変わったか、をつかみにくい部分があるとしたらそこかな。

あと、終盤の家族との葛藤話はちょっとご都合過ぎやしないかと感じたりもした。
俺はてっきり主人公に対し「ローラーゲームに殉じる覚悟はあるか?」と問う展開だと思っていたのであの結末には若干の安易さが見えたりもする

しかし、上記2つの欠点は、この映画にある大きな魅力に比べたら大した事ではないです。
とにかくローラーゲームであったり、彼氏とのイチャイチャであったり、主人公が体験するその全てが輝かしく撮れている!ここがこの映画の確かで大きな魅力です。
ローラーゲームのシーンは「転ぶ!痛い!走る!殴られた!痛い!また走る!速い!楽しい!」等々の高揚感に溢れまくっていて非常に気持ちがいい!カラッとしている!
もっと言うと別に泣かせにかかっているような場面ではないのに「これだ!これが見たかったんだ!」とボロ泣きしてしまった!
彼氏とのイチャつきやプールでのラブシーン、そしてその後の展開含め、その時々に経験したものを付随する痛みやそれが一過性のものであるという苦い認識も含め精一杯楽しみたい!という熱いものを強く感じた。

こういうのはやっぱり俺は嫌いになれないね!