狂気の行方
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2011/12/02
- メディア: DVD
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デヴィット・リンチ制作、ヴェルナー・ヘルツォーク監督作。
ヘルツォークの「バッド・ルーテナント」には心底ブッ飛ばされたのでかなり期待して観た。
ラストの木にひっかけたボールやダチョウのくだり、ペルーでの主観ショットなど、本作も切なかったり、または何とも言えない気持ちにさせられる部分があって、それはこの映画の大きな魅力だと思う。
ただ、この映画を観る者は基本的に外側からマイケル・シャノン演じる主人公の狂気を覗く事になっているので、最終的に彼がどのような妄想に取り憑かれているのかハッキリとは掴めない。
「ああ、この母親の抑圧が原因で神話と自分を重ねわせて…」と思いながら観ていると、全然違う事を言い出すし、やっぱり彼の行動には分かりやすい一貫性は感じられない。
正気を介さず狂気を狂気として捉えるのがこの映画の主題と考えるなら、それに挑んだ上で退屈させずに見せきるヘルツォーク監督の凄みを感じられる…かな…。
品性を疑われるような事を言うけどやっぱり狂った人の話って面白いのですよ。