激突!

スピルバーグ出世作らしい。
ビシビシとヒリつくような演出が素晴らしいし、スピルバーグの映画に見られる「無機質な恐怖」がすでにこの映画における殺人トラックにも見てとれるなー、と。

テレビ映画だからか、この手の映画に必要な猪突猛進なダイナミズムをやや薄めてしまうモノローグがちょっとウザく感じたし、全体として、運転手の見えない殺人トラックに追い回される背景も良く分からぬ主人公のカーチェイスだけで引っ張る馬力は不足しているように感じた。

だが、ラストで敵を爆破させず、にカラカラとホイールが回る音を聞かせ「嵐が過ぎ去った感」を観客に与えたり、この作品で監督スティーブン・スピルバーグが注目され始めたというのも納得できる作品。