ゴーストワールド

ゴーストワールド [DVD]

ゴーストワールド [DVD]

おしゃれと絵を描くことが大好きなイーニド(ソーラ・バーチ)は、幼なじみのレベッカ(スカーレット・ヨハンスン)と不満をぶつけながら青春を送っていた。6月に高校を卒業した2人は、これからの進路も決めないままフラフラ。ある日、新聞の出会い広告欄に載っていた中年男シーモアスティーヴ・ブシェミ)をからかおうと、彼を呼び出し尾行する。彼のことが気になったイーニドは、後日、ブルース・レコードのガレージセールを出すシーモアの家を訪ねていつしか親しくなっていく。

受けた感慨をちょっと言葉にし切れない。それぐらい良い映画でした。
「nobody loves me」のくだりや、「ゴーストーワールド」というタイトルが重く響くラスト等忘れがたい場面がたくさんある映画。

こういう良い映画を観ると、作り手が登場人物とどの程度の距離を取るか、がいかに大事かが分かる。
そこがなってない映画は大概不快だし、そういう映画の話に耳を傾ける気にはどうしてもなれない。
映画の主人公イーニドは他人を俗物認定して見下してる嫌な奴なんだけど、彼女ほどではないにしろ人を見下して何とか自分を保っている部分はあるでしょう。
しかし、そういう人を描く際「だって人間こんなもんでしょ」という開き直りに堕してもいけない。
嫌な部分は嫌な部分としてきっちり距離をとって描く、それでいて突き放しすぎず作り手はしっかりその登場人物に向きあう。
これが出来て初めて嫌な奴、ダメな奴を主人公に据えても最後まで観られる映画になるんではないかと思います。