新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ)
NEON GENESIS EVANGELION vol.01 [DVD]
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2003/07/24
- メディア: DVD
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11月公開に新劇場版が公開されるのでその予習として観た。
エヴァのTVシリーズは最後まで通して観た事がなくて、過去に中盤ぐらいまで観ていてそのままフェードアウトしていた。
元々シリーズものを習慣的に見続けるのが苦手な性格っていうのもあるけど、あのウジウジした感じが肌に合わないし、あの内省の蟻地獄に堕ちて行ってるような感じのものにハマれるような時期はもう過ぎてしまったんだろうな。(「リリィシュシュのすべて」や一連の新海誠作品も反発したりしてるけども、観る時期によっては大分印象も違ったんだろうなあ、とは思う。)
過去に観たことのある序盤は飛ばして13話から一気に最終巻まで観た。
一気見であるが故、所々頭に入ってない所もあるかもしれないけど充分予習はできたかな。
使途を一体一体撃破していくあたりの話は面白かった。
しかし、トータルではあまり好きになれない作品だというのが正直な所。
単純に躁病的なイメージ映像の連打が観ていて辛い。
そもそもこれって安易な演出放棄なんじゃないかとも思うんだけど・・・これが特権的に許され受け入れられた作品って事なんだろうか・・・。
良くも悪くもなんだろうけど(受け入れられたから良いんだろうな)あんな自己啓発セミナー感溢れる映像をよく夕飯時のお茶の間に流せたな・・・と思う。
ただ、必ずしも悪い意味ばかりでなく、何気なく見ていたはずのアニメが本気でこっちを殺しに来たっていうインパクトがあった事は想像に難くない。
キてる作品だよ、っていう事前情報を持ってた状態で見ても口あんぐりだったしなあ・・・。
で、そういう映像で直接的に吐露される内容も、ひたすら内省的な割に自分もまた生きる中で主体として大小の暴力を他者に振るって生きているという自覚と責任がスルーされているためいささか寄り添いにくい。
被害者意識ばかりが水膨れしていて、忌避している世界の一部である自分を引き受けられずかなり一方的な話になっている気がして、正直青臭いな、と思った。
人が人である以上、傷付けられたり傷付けたりしながら生きざるを得ないっていうのは当たり前の話で、それをトウジやカヲルの一件みたいな「殺すか殺されるか」みたいな極限状況にまで拡大させて悩むポーズをとるっていうのも何か違うんじゃないか、という気もする。実はそれとこれとは別の話なんじゃないだろうか。
ただ、この異様に殺伐とした感じ、余裕の無さが強い同時代性を持ってたし、ハマる人には強烈にハマったんだろうな。
正直、自分は少なくとも現時点では好きな作品では全くないし、観てる間「この作品がその後の色々なモノをダメにしたんじゃないか・・・」っていうそれこそ被害者意識に基づく嫌悪に苛まれたりもしたけど、良い勉強にはなった。
10年以上前の作品だし、かなりディープな所まで掘り下げているファンの方もいるだろうけど、自分の距離感としてはこのぐらいの予習で新劇場版は大丈夫かな。
(予習して「ああ・・・オレもうエヴァはいいや・・・」とグッタリしてしまうという本末転倒な事になってるけど・・・)