恋の罪
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2012/06/02
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キツかった。
自分が見てる範囲だと園監督の映画って面白いのもあるけど品は無いよなあ、って印象で、それと題材との食い合わせが悪かったのか全編に渡って敷き詰められるエロいシーンもいつまで経っても官能を帯びず映画的には全くツマラナイ。
刺激としてのエロも単調に見せられ続けると飽きが出てきて単純な不快感になってしまったし、主演の女優に華も雰囲気も感じられなかったのが辛かった。申し訳ないけど、彼女でこの長尺の映画を引っ張るのは荷が重いと思う。
序盤の夫の描き方も疑問。
終盤のある展開のためといえば妥当なのかもしれないが、あんな性的に潔癖過ぎる風に描いたら、主人公が夫から隠れて性的に奔放になっていくくだりに背徳的な面白さがなくなってしまうし、彼女を抑圧していた夫が悪いかのようにも見えて、受け手と作り手を安全な方へ逃がしてしまっていると思う。
「ヒミズ」の時もそうだったけど、一部ディティールの過剰さが別に面白さにつながるわけでもなく、それが作り手のリアリティだったにしても傲慢さや安易さをどうしても感じてしまう。
セックスする上でそこに愛がなければ女性は金を取るべき、という発想とそれが最終的に皮肉な展開へ繋がっていく部分はいくらか面白く感じた。
でも、それって金をとってセックスする事は肯定するのと裏返しに、快楽のためだけにセックスする事は否定、嫌悪してる事になるよな。
そういう意味で本質的に女性の自由や解放を描いた事にはなってないんじゃないかとも思う。
詩や小説の引用も上滑りしてると思った。まあ、文学的素養のある方には大層面白い部分なんでしょうが、僕にはただ退屈なだけでした。ポカーンって感じですよ。
これは公開当初から言われてたと思うけど水野美紀のシーンはほとんど要らないよね。彼女絡みのシーンは台詞から何から何まで恥ずかしかった。マジで要らないと思う。
公開時評判が割れてる映画で、「冷たい熱帯魚」が面白かったので、自分は賛否どっちかなあフフンと思って観たのだけれども、これは駄作だと思うよ。
関係ないけど今月公開の「希望の国」は予告から「うわあ・・・」と思ってしまったので、よっぽど評判が良いか、話題になってない限り観に行く気は起きない