ショーン・オブ・ザ・デッド




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監督:エドガー・ライト

ロンドンの家電製品店に勤める冴えないショーンは、その無気力で煮え切らない態度ゆえにガールフレンドのリズから振られてしまう。意気消沈したショーンだが、翌日起きてみると街中にゾンビがあふれていることに気づき、母親とリズを助け出すため居候のエドと共に奮闘するが…。


大・大・大傑作!

ゾンビ映画を観るのはほぼ初めてなのだけれど最初にして最高のモノに当たった感があります。

もし、この「ショーン・オブ・ザ・デッド」ぐらいがゾンビ映画の平均値なら、

オレ、もうゾンビ映画以外見ないよ!



「ゾンビコメディ」と銘打たれているだけあって、怖いながらも笑える箇所がてんこ盛り。

まずコメディ映画としての部分が一級品。

ボンクラなショーン達がゾンビに気づかないくだりや彼らがどのように事態を切り抜けるか計画するくだりなんて腹がちぎれるかと思いました。



更に極限状態での人間ドラマとしても一級品

2,3回泣かされました

あと最後のクイーンの曲が流れるラストですね

若干の悪趣味テイストをはさみつつも

ダメ男友情映画が大好物な僕としてはどうしてもポロポロを涙を流してしまうんですね



更に更に、この映画のスゴい所はそれらの要素がホラー映画としての価値を全く減じていない所

特に終盤は本当に滅茶苦茶怖かった…

おそらくはこの映画のよく出来ている脚本が大きくそこに貢献しているんじゃないでしょうか

例えば徹底的に主人公達を追い詰める絶体絶命の場面の前で映画中で一番キツい描写をもってきたりしてて

コメディ部分、人間ドラマの部分、そしてホラー部分への往来が本当にスムースに出来ている

この映画の脚本は本当に素晴らしくて、語り口に全く無駄がない

すかしっ屁、ゲームの2P参戦、角砂糖、カーステを切る所 etc…

映画で描写されるほとんど全てが何らかの機能を持って活かされてくる

本当に素晴らしいと思います


で、このよくできた脚本を語る演出は本当に若々しくてポップ!

故に全く肩がこらない!

あと、どうやらこの映画には過去のゾンビ映画クラシックに対する愛情あふれるリスペクト、オマージュが詰まっているらしいですが、

ゾンビ映画ビギナーの僕にはそこで「ニヤリ」とできないのは悔しいあたり…

そこが分からなくても滅茶苦茶面白い事に代わりはないんですけどね


ゾンビ映画というものは初めて観たのがこんな傑作であるがゆえに

次を観るのがちょっと怖くもあるのですが

これは本当に見て良かった!

皆が今年公開の「スコット・ピルグリム」に期待する理由が分かりましたよ!

エドガー・ライト凄い!!