台北の朝、僕は恋をする

台北の朝、僕は恋をする [DVD]

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キュートでウザくない塩梅に小奇麗で良い感じなんだけど、おそらくはそれと引換えに活劇やサスペンスとしての刺激が足りないなあ…、そうだ、極悪人がいないのが良くないんだ!せめてあのオヤジさんを極悪人として描けばもう少しピリッとしたものになるのでは…


…と途中まで思ってたけど、終盤、この作品におけるマクガフィンの正体が分かった時点で全部オールオッケーになった。オレ、野暮な事考えてた!
おそらくはこの映画の目的の一つであろう「台北の街を魅力的に撮る」事は達成できていると思うし、作り手と観客を投影させる主人公に過度にフラットな人間を装わせるナルシズムの臭みみたいなものはさほど感じなかった(個人的にはもっとボンクラな感じでもいいと思うけど…)。



最終的に主人公の友人、カオ君のサブエピソードにキュンと来た。
ダメだったんだけど、何にせよまた朝はやってくるから…みたいな安心感と幸せ?うまく言語化できないけど彼周りの部分は結構幸せな心地で見られた。
一方で、主人公とアンバー・クォ演じる女の子との恋愛のアレコレは思ってたより抑制を聞かせてた印象。うーん、食い足りない部分が多いけど別に雑ってわけでもないし、少なからず胸キュンした部分があるのでオッケー。


ほとんど血が流れない映画でサスペンスとしての面白さを期待したら相当つまらない映画だろうけど、「ほら…あるじゃん…恋のほら…気持ちいい感じのさ…気持ちい感じの…」っていう部分とあと台北に行きたくなるっていう部分においては十分成功してるっていいんじゃないかと思います。