スーパー!

スーパー! スペシャル・エディション [Blu-ray]

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普通に面白かった!

・よく引き合いに出される「キックアス」より更にきつい暴力描写!
しかも、ここで描かれる凄惨な暴力のほとんどは主人公のフランクが振るうものであり、加害者の視点を共有させられ、「そこまでしなくても…」と思わせるもの。
だから、そこに作り手の意図があるとはいえ拒絶反応が出てしまう人がいるのもしょうがない…しょうがないと思います…人の頭が吹っ飛んだりするしね…。

・作り手が作中において敵として置いているのはケヴィン・ベーコンのような小悪党、というより、それを見てみぬフリして「まあまあ」という態度。
(「キックアス」がストレートに「巨悪」を敵として設定していたのと対照的)
しかも、本作における敵の言う理屈は日常生活で我々が時々使うロジックであるので全くもって正論に見える。というか実際そうだ。
自分が暴力のリスクを負ってまで断罪するような程の悪でもなし、何より人を殴るのは怖いし、責任だって取りたくないでしょ?
対する主人公フランクの行動には理がない。
やってる事は事実上通り魔だ。
ただし、僕は彼の行動にあるわずかな理を、そして大切さをすくい取って描きたいという作り手の志は評価したい。

エレン・ペイジ超かわいい。逆レイプのくだりは映画的必然というより観客&作り手の個人的な欲望に基づいたものだと思う。

・よく「カタルシスがない」と言われるらしいけど、ラストは割と普通にアガった。
ネタバレになるから細かくは言わないけど「キレて超強くなる」ってアガるやないですか!

・フランクの人となりや行動の描き方に彼固有のものが貼り付いていないように見えたし、映画全体がどこか寓話というかシミュレーションを見せられているような感じは少なからずあった。正直ちょっと小賢しいと感じてしまったのも事実。
そこのリアリティはグロテスクな暴力描写では担保されないものだと思う。
いや、それをこの映画に求めるのは筋が違うのかもしれないけどね…