モンスターズインク

モンスターズ・インク [Blu-ray]

モンスターズ・インク [Blu-ray]

ふつーに面白いので、子供も親御さんも良い気持ちで観られる映画だと思います。
ただし、色々気になった部分が置いておくにしても、「人を怖がらせるのは素晴らしい事だろ?それを何で…」というでっかいクエスチョンマークが残った。
人を怖がらせる事を作品内で否定しておきながら、恐怖のエッセンスはエンターテイメントとして本作にもがっつり盛り込まれている。
恐怖が子供を楽しませる事をエンターテイナーとして肌で知っていながら何故その結論に…?

ピート・ドクター監督の「カールじいさんの空飛ぶ家」が大好きなのであえて文句をつける。
「いや、本気でやったら子供が泣いちゃうから…」とちょっと甘いぐらいが子供が喜ぶ匙加減、という態度は悪い意味で「大人目線」だと思うぜ。
(「カールじいさんの空飛ぶ家」も負けず劣らず大人目線の作品だったが、「カールじいさん」は「そんなの関係ねえ!」と大人げなく言いたくなるような力を持ってた。)

自分は年齢的にもう子供ではないから感覚として分からないが、多分、「こんなサラリーマンみたいなモンスター達見たくなかったよ。」って思う子供は一定数いるんじゃないかなあ…。
モンスター達に大人の悲哀を背負わせた根本のアイデアにもしかしたらまだ詰める余地があったのかもしれない。


難しい事だとは思うんだけど、大人の心情を引き受けた結果、肝心の子供へ向けたバランスを崩してしまっている映画だと思う。


ドア工場のアクション等、それ自体楽しい場面やギャグは随所にあるし、別れの場面は正直ホロリとしたんだけどね!(最後に再会しちゃうのはどうかと思ったけどね!)
ピクサー作品の中で上位!マイベスト!って感じではないかなー。