マインド・ゲーム
- 出版社/メーカー: レントラックジャパン
- 発売日: 2004/12/22
- メディア: DVD
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マジでブッ飛ばされた
何となく自分は保守的な受け手なんだろうなー、という意識があるのでこの作品も結構構えてたんだけどこの「マインド・ゲーム」はマジで良かったッス!
・表現全体が「ほ〜ら、変でしょ〜う?」って言ってるような、そのくせフタを開けてみるとどこかで見たことあるような借り物のセンスで、要するにパッと見の奇天烈さが表現者の空っぽさを甘やかす方向にしか機能していない類のものが大嫌いなのだけれど、この作品にはそういった体温の伴ってない奔放さや実験に逃げたような臭みなどは感じなかった。
・むしろ作品全体から溢れんばかりの生命力(しかもアニメーションならではの!)が表現の圧として、そしてメッセージとして伝わって来て大感動しました。もうね、「この表現がアニメーションの本流なんじゃねえかな…」と思わせるくらい、こちらの常識を書き換えるような力と圧を持った作品だと思う。
・強いて文句っぽい事を言うなら作品のテーマ的な部分を結構台詞にし過ぎな部分はあるかも。ただ、そこの配慮をないがしろにしても分かって欲しいメッセージがあるだろうし、その部分の台詞は紛れも無い血の通ったキャラクターの実感から放たれる台詞なので、ここはいちゃもんの域を出ないかな…。
白状するけど、それら台詞の部分でも俺は泣いた。
・「まーたオシャブカルな表現がもてはやされてるのか…」と若干冷やかし目線で本作を見ようとしてた自分を黙らせたこの熱量、情報量、気合い量は本当にスゲエと思う。セックスシーンの表現やラストなんてもうほとんどドラッグ映像とかサイケとかそういう類のものだよね。
・ただ、この熱量が受け入れられなかったり、そのあまりの圧の強さに反発を感じたりする人や、あとタイミングもあるだろうな〜とも思う。
・でも、クジラの体内でこそ生きる事の可能性(本作は"可能性"を巡る物語だと思う)が花開いたり、そこらへんの説得も結構丁寧にやってる方だと思う。
・声あててる吉本の芸人さん達も、そもそも芸人の仕事が声優と通じるものがあるのか、大きな違和感はないです。観る上では問題ないレベルかと。
・音楽の使い方がマジで素晴らしい!
・俺はこの作品、元気出したい時にオールタイムで観返したくなるかもしれない。
本作の監督である湯浅政明さんが作った「四畳半神話体系」は最初の方しか見てなかったんだけど、これはちょっと全部チェックする必要性が出てきたぞ…。